鷲はいまどこを飛ぶか

ミステリとSF、ときどき東方。

評論

小森収『短編ミステリ読みかえ史』第116回のハーラン・エリスン評に対する批判

半年も前の記事にいまさら文句を付けるのもうざったらしい真似ですが、しかし『愛なんてセックスの書き間違い』がめでたく刊行され、『危険なヴィジョン』完全版がこれまためでたく刊行される運びとなり、ハーラン・エリスンがにわかに盛り上がりを見せ始め…

POSシステム上から消失した「銘」:銘宮「黄金の降る場所で」

円堂都司昭「POSシステム上に出現した「J」」*1は、全てをバーコードによって特定していくシステムに危ういほどその身を近付けつつも最後には否定をぶつけるものとしての本格ミステリ像を語る、刺激的な評論だった。ここで例示されているのは90年代に現れた…

お蔵出し的なもの、あるいは「デス博士」の書き出しについて

年末だからと云うわけでもないが、パソコンのフォルダを整理していたら懐かしいものを見つけた。高校時代に国語の授業の課題で提出した、ジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」の書き出しについてぐだぐだと述べた論考(らしきもの)だ。前回*1やたら…

殺された神と、過ぎ去りゆくもの:天城一「高天原の犯罪」

(以下、天城一「高天原の犯罪」の真相に触れています) 「わかってないのさ。君は、わかってないのか、忘れようとしているのさ。大戦争をボッ始めた張本人の一味だとゆうことを、物見事にゴマ化そうとしているんだよ。南京とマニラの虐殺の責任をチョロま…