鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

日記:2020/04/10

 嫌な話から入ってしまう。きょうもきょうとて嫌になるニュースが流れてきたが、いちばんげんなりしたのはニュースのサムネイルで元首相がマスクから鼻を出している写真を見たときだろう。ふざけるなよ、と思った。ふざけるなよ、とよく思った一日だった。

 大学の図書館のなかでも大きいふたつがどちらも閉館した。あらかじめ申請すれば資料を借りることはできるがそう云う問題ではない。何のための大学だよ、とくさくさしてしまったけれど、大学に怒ったところで仕方がない。怒りは正しい相手に向けるべきだ。この場合は何だろう。お上だろうか。マスクから出たあの鼻だろうか。

 もちろん、大学当局に対する不満も多々ある。

 

 怒りや不満を書く場所があるだけで幾分か気がマシになると云うものだ。

 

 『見るということ』を読み終えた。写真論をもっと語って欲しかった。と云うか、もっと「見ると云うこと」を語って欲しかった。ザンダーの写真やヴェトナム戦争の報道写真を論じるくだりは面白かったので、これはまあ贅沢か。

 

 Discordを通じて簡易的な読書会をした。課題作品は太宰治「葉桜と魔笛」。とりあえずは、新しい日常を作ってゆくしかない。

 

2020/04/11追記

 あんまりネガティヴな内容に偏ると日記として公正ではないだろう。

 図書館で本を借りられなかったぶん、生協で何冊か購入した。『通話』がとても好みだったボラーニョの『アメリカ大陸のナチ文学』はいまから読むのが楽しみだ。

 Discord上でミステリ研のひとびとと久しぶりに小説について語らうのは楽しかった。暗い時代に文学は心のよりどころとなる――と云うことがようやく実感できつつある。

 

見るということ (ちくま学芸文庫)

見るということ (ちくま学芸文庫)