大学の附属図書館が完全に閉まると云うので、慌てて何冊も貸出申請をした。本当はもっと学科の勉強に必要な本を借りるべきだったのだろうが、気が付けばできあがっていたリストは興味の幅だけは広い飽き性の自分を表したようなそれだった。ちゃんと借りられてちゃんと読めれば感想をここに書くこともあろう。
きょうの散歩は繁華街の方にも足を伸ばしてみた。平日であること、天気が不安定なこともあるだろうが、ひと通りが明らかに以前より少なく、店も幾つも閉まった賑わいのない三条に少しばかり感心するとともに、営業している幾つかの食事処にかえってひとが集まってしまっているのを見ると、やはり自主的な休業を要請するだけではそうなるよな、と改めて確信した。自粛していない店を責めることはできない。
せっかく三条まで来たので丸善にも寄った。地上階の店は全て閉まっているのに地下の書店だけは営業しているのは異様な光景だ。店内には心なしか緊張した空気に満ちていた。
友人とDMで政治的な話題で会話した。自分からふっかけたようなものなのに、きちんと対応してくれた友人に感謝したい。もはや誰もがそう云う話題から逃れられない以上、友人との間でも意見を交換できるようにしておきたい。
犯人当てについて考えている。一発限定とか、1手詰めとか、呼び方は何でも良いが、どうであれひとつの限定条件で犯人を絞るタイプの犯人当ては、作るのも解くのも比較的易しいがゆえに難しい(ものにもよるが)。
例えば『探偵学園Q』の、エピソードのタイトルは忘れたが、ディナーが饗された死体が出てくる回。インパクト抜群の事件現場と、そこに隠された取っ掛かり、そこからの論理展開は、独自性があってかつ程々の難易度だったと記憶している。あのようなインパクトおよび独自性を、1手詰めで演出するのはなかなか難しい。
目取真俊『面影と連れて 目取真俊短篇小説選集3』を読み終えた。「面影と連れて」には「うむかじとぅちりてぃ」とルビが振られている。やはり『短篇コレクションI』にも採られたこの表題作は凄まじい傑作だ。読んでいるだけで涙が止めどなく溢れ、イヤイヤするように頭を振って耳を塞ごうとすれども目は頁から離れず歯を食いしばって聞くしかない、そんな、圧倒的な語り。