鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

日記:2020/05/13

 一日が早い。毎日2~3コマ入っている講義に時間が吸い取られる。試験ができなくなったから出席確認を兼ねた小レポートも増えた。きょうもこれを書き終えたら課題をやらなければならない。とっくに《2020年度前期》ははじまっているのだ。だのに基本は家にいるから春休みの気分が抜けず、いまだに身体と気持ちの調子が整っていない。

 本来なら週のうち半分は実習とそのレポートに追われていたはずで、むしろ時間は有り余っているのだと思わなければならない。ならないのだ。ならないのだ、が。

 

 この一年くらい、嘲笑、冷笑について考えを巡らせることが増えた。考えていて気持ちの良いことではないし、考えたところでその強靱な構造にいっそう塞いだ気分になるばかりだ。嘲笑してきた人間に何を返そうが、相手は「おお、コワイコワイ」などと云えば済んでしまう。馬鹿にすることによって作られた絶対的な優位は覆らない。耳も目も塞いで喚き散らす相手に何を云っても通じないように。

 厄介なのは、その強靱さに助けられる場面もあると云うことだ。はじめから優位に立っている(と思われる)相手を馬鹿にすることで引きずり下ろすことだってできる。強者への諷刺とはつまりそう云うものではないかと思う。

 

 

 グレアム・グリーン『第三の男』を読み終えた。

  のちほど映画を見た。ラストシーンは映画に軍配が上がるけれど、以上のような複雑さがプロットの変更で見えづらく、と云うかなくなっていて、もうここまで別ものならどちらが優れていると云う話ではないかも知れない。

 

 原克『騒音の文明史――ノイズ都市論』を読み終えた。

  最後のは冗談です。

 

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

 
騒音の文明史―ノイズ都市論

騒音の文明史―ノイズ都市論

  • 作者:克, 原
  • 発売日: 2020/01/01
  • メディア: 単行本