鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ジキルとハイド

いろいろと思い出したことなどを、断片的に。 先日、Fridays For Future Kyotoによる気候変動についての交流会に参加した。久しぶりにひとと会う活動をしたので足を動かしただけでもう気力が残って折らず、後半のマーチには参加しなかったけれども、交流会に…

創作「ある偽作者」

去年、短篇競作に書いたもの。読み返したら悪くないなと思ったので、若干手を加えて公開する。 わたしは彼をなんと呼べば良いのかわからなかった。わたしが彼を呼ぶ声、はじめて彼を呼んだそのときの声は、だから自信なく、よろめいて響いたと思う。しがつ、…

創作「学問の厳密さについて」

書いた掌篇の出来に多少の自信があるときだけブログに公開するならば、ますます何も出さなくなるだろう。自信があるかどうかは問題ではない。うまく書けるかどうかは重要ではない。書き続けること。これだ。 機関誌の掌篇競作のために書いた。字数制限は1600…

「鴉はいまどこを飛ぶか」に関するメモ③

前回、前々回からのつづき。 washibane.hatenablog.com washibane.hatenablog.com 語りすぎている。いい加減終わらせたい。 どこまで? トイレだったことはよく憶えている。ぼくがその推理を思いついたのは、実家のトイレの便座に腰掛けていたときだった。何…

「鴉はいまどこを飛ぶか」に関するメモ②

前回の続き。 washibane.hatenablog.com どこへ? 趣向をとりあえず考え、犯人を警官とすることまで考えたので、次に具体的な推理・手がかりを考えることになる。が、正直、あれこれ書いては消してみて、正確なところはやはり憶えていないと云う結論になった…

「鴉はいまどこを飛ぶか」に関するメモ①

小説を書くときに何を考えていたかと云うものは所詮後付けに過ぎず、文章を綴る、鉛筆を走らせるその一秒、文字を打鍵するその一瞬に何を考えていたかと云えばそのとき書いている文章以外にはないはずで、つまり、小説を書くときに考えていたことが小説であ…

創作「鳥はいまどこを飛ぶか」

サークルの会誌に書くための中篇が汲々として進まないので息抜きに書いた。リョコウバトを題材とすることはエモすぎるので国際条約で禁止されるべきとの向きもありますが、本作ではニホンリョコウバトと云う別種なので大丈夫です。 大学三年の夏、わたしはリ…