「わしが言葉を使うときにはな」ほんとうにばかにしきった口ぶりで、ハンプティ・ダンプティが言いました、「わしがそれに意味させたいと思うものをそれは意味する――それ以上でもそれ以下でもない」「問題はね」とアリス、「言葉にそんなにいっぱい、いろい…
9巻発売記念、『綴葉』の書評再掲です。 最近、ライトノベルを読み始めた。理由はいろいろあるけれど、気晴らしになるというのが一番だ。良い意味で軽く、すいすい読めて、面白い。わけても最近のお気に入りは、雨森たきび著/いみぎむる絵『負けヒロインが…
「なあ、君たちの出した答えは本当に正しいのかい? 焦って結論を急いでいるんじゃないか? ゆっくり話し合う間もなく逃げ続けてきたんだろう。何がどう絡まって、こんなことになっているのか、きちんと自分たちで理解しているのかい?」 祝・『石球城』刊行…
正義がひっくり返りかねない世界にあってもなお、飢えた者に食べものを分け与えることは正義である――アンパンマンの原点にこうした哲学があることはよく知られているが、その伝でいけば、意図的に誰かを飢えさせることは絶対的な悪であるということになる。…
【ウミガメのスープ】 彼は東京創元社でデビューし、その際に短編をひとつ発表したきりだが、講談社で2冊の本に作品を載せている。どういうことだろう。 拙作「幽霊写真」を、アンソロジーに採録していただきます。それぞれの企画は異なるのですが、どちらも…
「ここは血なまぐさく暴力的な世界です。強くならなくては生き残ってはいけません。でもそれと同時に、どんな小さな音をも聞き逃さないように静かに耳を澄ませていることもとても大事なのです。おわかりになりますか? 良いニュースというのは、多くの場合小…
早朝の騒ぎから夜おそくまでつづいた虐殺までのあいだ、シュルーズベリ大修道院のなかは恐怖の沈黙が支配した。うわさはうわさを呼んで蜜蜂の群れの羽音のように飛びかったが、誰も何が起こっているのかわからなかった。しかし、誰もが、恐ろしいことが起こ…