鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

お知らせ

「グラモフォンとフィルム、タイプライターのための殺人」:『蒼鴉城 第四十九号』

あとに残るのは言葉。ただ言葉だけだ。われわれは言葉の外に出ることはできない。音楽がドレミの外では何も演奏できないように。映像が光の外では何も映すことができないように。すべてはこのどうしようもない窮屈さのなかで一切が遅れてゆく。そこには本当…

書評・掌篇・座談会:文学フリマ東京37で読める鷲羽巧の文章

来たる2023年11月11日、東京流通センターにて開催される文学フリマ東京37にて、鷲羽巧は出席こそしませんが、いくつかの文章を書かせてもらっております。以下、その告知です。 カモガワ編集室『カモガワGブックス vol.4』〈池澤夏樹=個人編集 世界文学全集…

「SF小説入門作品ガイド」:『SFマガジン』2023年10月号

お仕事の告知です。『SFマガジン』2023年10月号の特集「SFをつくる新しい力」に参加しております。SF小説の入門作品を薦めるミニレビューで、ぼくは2作品を担当しました。未読の方の道標となっていれば幸いですが、さて、道標となるようなレビューとは何か。…

「逃げてゆく瞬間」:『玩具の棺』Vol.6

「ぼくはずっと、本当の瞬間を逃しつづけてきた」 写真家の篠田は、すっかりデジタルカメラに転向して以来、久しぶりにフィルムを現像していた。彼女が撮った写真ではない。学生時代の友人――久世の遺品として、預かったフィルムだ。久世は彼女にカメラを教え…

「オブスクラ」:『蒼鴉城』第48号

京都大学推理小説研究会の機関誌『蒼鴉城』の第48号が完成しました。モノクロのデザインにだまし絵のようなイラストがいままでになくクール。ぼくは会員として校正を手伝っています。逆に云えばそれ以外は主として後輩諸氏が編集をがんばってくれています。…

小川哲著『嘘と正典』文庫版の解説を担当しました

こんにちは。鷲羽巧です。 小川哲さんの短篇集『嘘と正典』文庫版の解説をこのたび担当しました。 解説では、個々の作品の読解から、作家・小川哲の魅力、そしてぼくはそもそも誰なのか――なぜ一介の大学生なのにこのような大役を任されたのか――も含めて書い…