鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年下半期ベスト

今年は過去数年間のうちで、もっとも手応えをもって読書できた一年だったと思う。読みながら考え、考えながら読む。理由はおそらく、積極的に本文に書き込むようになったこと、それと、メモ帳を普段から使い倒すようになったことだろう。それは書きながら読…

読書日記:2023/12/08~12/20 カルヴィーノ『見えない都市』ほか

アラン・コルバン『記録されなかった男の歴史:ある木靴職人の世界1798‐1876』 イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『シェイクスピアの記憶』 アンソニー・ドーア『すべての見えない光』 アラン・コルバン『記録されなかった男の…

すべての見えない都市:イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』について、五十五のメモ

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』(米川良夫訳、河出文庫)を読んだ。大いに感銘を受けた。具体的な感想はまたどこかで書くとして、ひとまず、生涯最良の小説のひとつに挙げて後悔はないだろうと思う。けれどもそれほどに素晴らしい小説なのに読んだ端…

読書日記:2023/11/20~12/03 藤原辰史『ナチスのキッチン』ほか

最近はやたらに読んでやたらに書いている。そのせいでスケッチが疎かになってしまっているけれど、書くことも読むことも線を引くことも、同じ線上に置かれるならば、それも当たり前なのかもしれない。 北村薫『遠い唇:北村薫自選日常の謎作品集』 アドルフ…