鷲はいまどこを飛ぶか

多くの場合は、小説について。

日記:2020/06/01

 授業が始まってバイトも再開してそれでも本を読んでいると日記を書く時間がなくなる。いや、日々に無駄な時間は多いのでそれを削ればなんとかなるのだろう(さっきも半時間くらいぼうっとtwitterを眺めていた)、やはり問題は時間ではなく、気力である。バイトや講義で体力的に疲れていると云うのもあるし、日々の嫌なニュースにも精神的に疲れてしまった。ニュースをめぐる、様々な言説にも。

 緊急事態宣言が解除され、来たるべき第二波へ向けてつかの間の平穏が戻りつつあるなか、国内でも海外でも差別や政治の問題が――もちろんCOVID-19の話題も収まってはいない――次々と噴出してタイムラインを埋め尽くしている。それらを追いかけることはやぶさかではないけれど、それらの問題、ないし問題についての言説に何かしらの反応を示すこと――twitterでのfavも含む――が嫌になってきた。問題そのものに思うところは多々あるが、なんだか強制的に《誰がいちばん状況を俯瞰的かつ冷静に、あるいは正義感や信念を持って判断しているか》のレースに参加させられている気分になる。もちろんこれは錯覚であるし、極めて冷笑的な見方だ。だからこそ余計に嫌なのだ。

 気にしたいのは社会全体のことだけではない、ごくごく個人的な、進路や将来についての不安もある。それらはもちろん、社会の問題と密接に絡まっているのだけれど。下宿でひとり生活していると、いろいろ考え込んでしまうのだ。

 もっと個人的なことで云えば、夏が近づくなか、台所やトイレにわくようになった羽虫を何とかしたい。家にそれなりの数の虫がいる、たとえ殺虫剤や防虫剤で対策したところで、もしかしたら存在しうるかも、と思うだけで気持ち良く生活することができなくなる。

 

 

 もうちょっと書くつもりだったがこの辺でやめる。少しセンシティヴな領域へ足を突っ込んだ気がしたからだ。代わりに、最近読んだ本の感想を置いておこう。

 

 

  『天城一の密室犯罪学教程』が文庫化するらしい。いまぼくが未来に抱いている希望と云えば、7月に出ると云うその文庫と、6ヶ月連続刊行されると云うアガサ・クリスティーの新訳――黒原敏行や加賀山卓朗、田村義進など、クリスティーとしては意外な訳者が並んでいる――くらいだ。あとは、幾つかの翻訳書。

 

(P[く]2-1)黒揚羽の夏 (ポプラ文庫ピュアフル)

(P[く]2-1)黒揚羽の夏 (ポプラ文庫ピュアフル)

  • 作者:倉数 茂
  • 発売日: 2011/07/05
  • メディア: 文庫
 
いなくなれ、群青(新潮文庫)

いなくなれ、群青(新潮文庫)